私が、急に押して
足を払ったものだから、
ぐらりと体制を崩した部長。

「うわっ。」


「あっ。」

あぶないっ。

体制を崩した部長を支えようと
部長の腕をガシィッと掴む。


びりぃぃぃぃいっ


あまり聞きなれない音が響いて、

部長が軽く後ろに
体制を崩して
転んだ。



部長の紺色のスーツの腕が
破れて私の手の中に残った。



え?

えぇ??

スーツってこんなに簡単に
破れるものっ!??


「あっ。あのっ。そのぉ。
 すいませんっ!!」

慌てて頭を下げる。

なんだか、謝っといたほうがいいと思って。