香川君が手を止めて、
「なんだー、利理。終わったのかぁ。
俺もおわろっかなー。」
「えっ。
香川君、それ 終わったの?」
「綾菜さん。資料集めと
デザインはあがってるので、残りは明日にしまーす。」
「えーー。
私は、全然色校正でなやんでるのにぃ。」
綾菜さんは何枚かの紙でペラペラと空を仰いだ。
「じゃぁ、利理。
俺とご飯でもいこーぜー。」
「へ。
・・・・いいけどぉ。
綾菜さん。大丈夫?」
だから、
香川君。君が相手にされないところは
たとえ同期でも女の子を気軽に誘ってご飯。
そういうところが、
綾菜さんには『真剣に口説いてる』って映らないんだと思うよ。
「あ。私は大丈夫よ。じゃー、二人ともお疲れ様ー。
仲イイね。」
ほら。
「ち、
違いますよ。綾菜さん。利理は同期だからーー」
あわてて 訂正しても遅いって。
もぉ。香川君って
そういうところ、天然だよねぇ。

