ビターな彼氏の甘い誘惑


綾菜さんは、もうアンケートを書いて、
提出したようで

私に目配せして、
軽く手を挙げて
会議室を後にする。


あ。そういえば、仕事が詰まってるって言ってたなぁ。

私も早く切り上げなきゃ。


「・・・どうだ?」

不意に、
低い声が頭の上から降ってきた。

「きゃっ。
 あっ。

 はっ・・・い。」

まともな返事が返せない。


「・・・ふぅ。
 だからーーー」


だから、どうなんだと言いたげに、
さらりと黒髪を払って
呆れたように私を睨む男ーーー


「ぶ・・・長。」

動揺して、
声が震える。

すいません。

なぜだか出た謝罪の言葉は小さくて
彼の耳にはきっと届かないだろうなぁ
なんて冷静に分析したりして。

威圧的な呉羽部長。
私の後ろに、立たないでください・・・。