別れたオトコと会う時は

アイツは、女の子に向かって微笑む。


『気持ちは嬉しいけど。』


その口調には、有無を言わせない強さがあった。


『これはオレとハナの問題だから、さ。』



アイツは黙っているわたしと女の子にもう一度微笑むと、わたしの手を取った。


『ハナ、来て。』


アイツに手を引かれながら振り向くと、泣き崩れていく女の子の姿があった一。





いつもの自動販売機の前。


アイツが、わたしの手を離す。


『心配、した。』


『うん…。』


『体、辛かったか?』


『もう、平気。』