別れたオトコと会う時は

『!』


突然のことにわたしは慌てた。


アイツの姿をずっと見ていたのがアイツに解ってしまうのがとても恥ずかしくて…、急いで両手で顔を隠した。



『意味、無いじゃん…』




そう呟いてみるものの、どうしたらいいのかわからない。


『見られていませんように…』


そう願いながら、わたしは必死で自分を隠そうと、そのまましゃがみ込む。


そして、ガラス貼りの窓から逃げるように、そのままトイレに駆け込んだ。



…ガラスの向こう側に、わたしの一部始終を見て可笑しそうに笑うアイツの姿が、わたしの目の端に映った。