まるでユミの母親のように、わたしとカナコは緒方さんに頭を下げた。


緒方さんは少し驚いた様子で、でも、落ち着いて言った。


『今までユミには本当に辛い思いをさせて来たけど』


緒方さんとユミが見つめ合う。


『今までの分も含め、幸せにしてやりたいと思う。』


『…でもどうして、別れた後に戻ってきたんですか?』


わたしは思い切って聞いてみた。


それを受けたカナコも続けて聞いた。


『ベランダでカナコに呼ばれたって…でも一度は自分の家に帰ろうとしていたんですよね?』