『それなのに、旦那を傷つけた自分が辛くて…。やっぱり「言わなきゃよかったかな?」と思ったり。』


『もう言っちゃったことをクヨクヨ考えないの!』


わたしは俯いたカナコにそう言った。


『で?旦那さんとは…今、どうなの?』


待ってました、とばかりにカナコが笑顔になる。


その笑顔を見たわたしは、ヤレヤレ、と大きく息をはいた。


「7つ年下の別れた男」のことをきちんと吹っ切れたのか気になっていたが、もう全く気にしていないのが見てわかった。


『さすがだよ、カナコ…』


わたしはカナコに向かって一人言のように呟いた。