「ハナ、いくよ。」 昼休み開始のチャイムが鳴り響くと 窓際の席から態々足を運んでくださるこの男に 今日も素直について行く。 慣れたもので 風香は既にヒダリ君と弁当を拡げ、 なにやら楽しそうに二人でフリーペーパーを読んでおり アタシは見送りすらしてもらえない。 寂しいものである。 そんな仲睦まじげな二人を横目に 歩みを止めてくださらない右崎を追いかけ アタシは廊下へと向かった。