ダウトゲーム【更新中】

廊下に出ると待ち構えていた男子生徒Cが

「ちょっといい?」と控えめに声をかけて促してくる。

ちょうどいい、

右崎のことを思う存分に理由として使ってやろうと

男子生徒について行こうとした矢先だ。



トイレから戻ってきた右崎が

廊下を歩いて戻ってくるのが視界の隅に映った。

このまま男子生徒について行けば確実にすれ違うルート。

「ちょいと行ってくるわ」とアイコンタクトでもかましてやろうと思ったのだが……



「ねえ、何しにいくの?」



すれ違いざまに、

右崎に手首を取られたアタシは

身動きが取れなくなった。



「あ、いや、なんでもないんだ!

悪かったな!」



逃げるようにして

廊下を走って行く男子生徒C。

そして、置いて行かれたアタシ。


右崎の手に力が入ったかと思えば、

ズルズルと近くの空き教室へと引きずり込まれてしまった。




一部始終を見ていた生徒達から

小さな悲鳴が

聞こえたとか、聞こえてないとか。



ましてや、

そんな騒々しい廊下に

風香とヒダリ君が顔を出してきて

バッチリ野次馬していたなんてことは

後から知る事実なのである。