ダウトゲーム【更新中】

「弱すぎて哀れになるわ」

「ごめんね……ハナちゃん」


その後、

あっけなく上がってしまった残りの二人。

惨敗である。



「でもまあ、あんだけ惚気たトーク見せつけられちゃ、信じるしかないか」

「今の会話のどこに惚気が?!」


素っ頓狂なことを言い出す風香に驚いて二度見する。


「華、あんたってそんなに鈍かった……?」



別段意図したわけではなかったにも関わらず、

すんなりと懐疑の念を解いてしまった風香に疑問符が浮かびつつ、

机の中央に乱雑に重ねられたトランプを掻き集めていると、


「華井さーん!」


廊下付近にいたクラスメイトの男子から

声を投げかけられた。



見れば、

見知らぬ男子生徒Cが扉の向こう側から教室を覗き込んでいた。

そういえば……

こうやって呼び出されるのは久しぶりだ。

なんだかんだで成果は出ているようだ。

この偽装カップルごっこの効果を初めて実感しつつ

男子生徒Cの元へと足を運んだ。





いつの間にか、

自習時間は終わっていたらしい。