「……ウザイ?

あんなに可愛い女の子達から告られても

そんな風に思うの?」


さっき走り去っていった女の子を思い浮かべる。

ふわっとした雰囲気で可愛かったような気がする。



「じゃあ、何。

かっこいい奴に告白されたら

どんな初対面でも付き合っちゃう訳だ?」



沈黙。

そして、頭を捻る。

中身も何も見ないで言ってくる奴らは信用出来ない。



「だろ?俺の何を知ってて言ってくるんだって話じゃん。

外見とかで勝手にイメージ決めつけて来られても

それは素直に喜べない」


そう言って窓の外に向かって再び溜息を零す右崎 柊を見て、呟いた。





「……本当だ」


「何が?」


こちらに視線を戻す。



「いや、ヒダリ君に言われたんだよね

『ハナちゃんは、男版柊だ』って。

アタシも似たような考え方だから」




人当たりのいい性格で

異性からの告白をサラリとかわせる世渡り上手なヒダリ君と風香。



異性からの告白をかわすことも出来ず

それにイライラして無愛想になってしまい

それが逆にクールだともてはやされてしまって逆効果なアタシと右崎 柊。



ヒダリ君は多分、

そんなことが言いたかったんだろう。




「だからかな、

初めて喋るけど、あんた喋りやすいよ」

「そうかもね」

「しかも、あんたは俺に大して興味がない」

「そうだね」

「俺もあんたに大して興味がない」



ニヤリ、と笑った。



「ハハッ、そうなんだ?」



またしても、つられて笑ってしまった。