「早く食べないとさめるよー!」


と言う綺羅の声に急かされ、皆席につき、

「「「「「「いただきます。」」」」」」


と言って食べ始めた。


暴走族でも礼儀は有るのか。



そんなふうに考えながら皆を見ていた私に疑問を感じたのか、海斗が問い掛けてきた。



「お前、飯食わないのか?」



「ん。お腹すいてないし。」


「ふーん。そうか。」


私の答えにそう返した海斗は少しだけ納得のいかない顔をしていた。



まだ、言う訳にはいかない。



言わない方が皆も安全だから。



三咲は私を見ながら暗い顔をしている。



その顔を怪訝そうな顔で奏汰や紗那がみているのに気ずかず。


気ずいているだろう。彼らは。



私が闇を抱えているのに。


その場の暗いフインキに耐えられなくなったのか、綺羅が明るい声で言った。


「今度の夏休みさ!海いかない?」


と。



海?



海ってあの、青い水があって白い砂が沢山あるっていう綺麗な場所?



「いきたい!海、いったことないから。」



「理沙が行くなら私もいく!楽しそうだし!」


私逹が言うと、綺羅は勝ち誇った笑みを浮かべて、


「賛成の人?」


とか聞いてる。


「俺嫌だ!絶対やだ!!女がウジャウジャいるとこなんか行きたくない!」


「……………………僕も、無理。」



「遠慮させてもらいます。」 

「絶対いかねぇ。ケバケバ女が群がる。」