彩side


「あーやちゃーん。俺本気なんだよね。」

「なんですか。」

「あんな男と別れて俺と付き合いなよ。大事にするから。」

「無理です。」

怪しい笑みを浮かべる男。
名前は知らない。知りたくもない。

私は川越くんがいいから。


「そんなに反抗しちゃっていいの?
女のお前が俺にかなうはずない。」

「っ!やめて!!」

なんなの!!この男!!


「っ彩!!大丈夫か!!」

大好きな人の声と共に男の手は私から離れていった。

「ちっ!ふざけんなよ!!」

川越くんを殴りにかかろうとする。

「あっぶない!!!」




バチッ

「しょぼいパンチだな。」

「!なんだと!!!」

川越くんは男のパンチを受け止めた。
かっこいい……。


「あー!もうめんどくせ!!こんな女どうでもいい!!!」

男は立ち去っていった。


「彩っ!!!大丈夫かっ!!!」

川越くんは私に一目散に駆け寄った。