キーンコーンカーン……

昼休みが始まる。

「ふわぁぁぁ~……。」

「おい、あくびかよ……。」


親友の圭介にあきれられる。

「ていうか、後藤さんに会いに行かなくていいの?」

「……あっ!!!早くいってくれよ!!」

俺はダッシュで彩のもとへ向かう。

後藤さんとは後藤彩のことだ。


「あーや!!一緒に弁当食べよう!」

彩の教室の前で大声で叫ぶ。

「……あ。川越くん。」

相変わらず冷たいけど、それが彩だから。


「今、いくね。待ってて。」

いつでも冷静な彩だけど、一度だけ冷静を保てないときがあった。