まだ本気で好きなのになぁ…。
何でこんな辛い恋とかしちゃってんだろ、俺。
幸せすぎた日々を思い出す……、
「お前、もう死ね」
ことすらこいつらはさせてくれない。
なに俺?こんなキャラじゃなかったでしょ?
「……もう二度とこんなことは起こらないから大丈夫だよ…」
もう、二度と彼女と会えない。
もう、二度と彼女と会う事は許されない。
俺は暴走族で、しかもその幹部。
今まで色々相手に恨まれても来たし、今でも俺らの権力は恨みの対象だ。
だからこんな俺とこれだけ騒ぎになってしまえば、彼女にもその恨みの矛先が向いてしまうわけで。
好きな人に迷惑なんてかけられないし、危険にだって晒したくない。
「いいか?俺らと関われば、相手は誰に何されるか分かんねーってことを忘れるな」
「……わかってる」
あぁ、心がいたい。
遠すぎた彼女の姿は、もう触れること以前に姿を見る事すらできなくなった。
これが恋愛にうつつを抜かした俺の罰だ。
でもまだ今回はましだった。
実桜ちゃんの存在があるから、一幹部の女と騒がれている子よりも姫が標的とされるから。


