あたしこそが最愛最高の姫である







「………玲なんて嫌いだ」




騒がしすぎる生徒会が帰った後、リビングでくつろいでいる玲にポツリと呟く。




それだけじゃなくて、膝もグリグリとしてやる。





「痛い痛い」




それでも玲は余裕そうに爽やかに笑ってるだけ。



それにムッとして、玲の膝の上から降りようとすると、ギューッとお腹に手が回されてしまう。





「玲の馬鹿」




監禁とか今思うと本当にやだ。




あーー。




それに暴走族の姫からあいつを蹴落とす方法なんて思いつかないし。





わかんない。




ぐだーっと兄にもたれ掛かり、足をテーブルに伸ばす。





「美玲、はしたない」




玲からそう言われ、足を軽くバタバタとしてみる。





そして玲の顔を伺うように後ろをちらっと見る。





「んな可愛いことしても駄目」





玲に構ってもらえるのが嬉しくて、クスッと笑ってしまう。




あたしも玲のシスコンに劣らず極度のブラコンだ。





「れーいっ」




お腹に回されている手に自分の手を重ねる。




蓮とは少し違う、大人の人の手。





ゴツゴツとしてるけど暖かい。





「……玲もあたしだけのお兄ちゃんでしょ?」






「当たり前だから、まずは足を降ろせって」





言われたかった言葉が聞けて、テーブルから足を降ろす。




さすがに自分でも行儀の悪いことは分かってる。





まぁ玲に構ってもらうためにやったんだけど、意外に楽な姿勢だった。




仕方なしに大人しく玲の足の間におさめようとするけど、またからかい半分で玲の足に自分の足を絡めてみた。





「みーれーい。大人しくしときなさい」






耳元でボソッと囁かれる。





「んふふっ。玲に構ってほしいのっ」





我ながら素晴らしいほどのブラコンだ。




そこらへんのカップルより甘い雰囲気かもしれない。





「なら明日は仕事ないから遊びに行くか?」





クスクスと笑いながら玲は嬉しい誘いを口にする。






「えっ、ほんと?監禁は?」






「俺とずっといっしょなら明日だけ特別に許す」





やった!




「嬉しいっ!玲、ありがとっ」





素直に嬉しい。





「可愛すぎる妹のためならお安い御用で」