紫苑が「腹減った。」なんて言ったから放課後であるにも関わらず、じゃんけんで負けたあたしがなぜか紫苑のお使いを頼まれたことになってしまった。
それに蓮が引っ付いて来た。
でも普段なかなか授業にも出ないあたしと蓮が歩くだけで、放課後のくせに人がどんどん集まってきて。
終いには先生まで出てきてしまって少し面倒だった。
そんな大変でめんどくさすぎる思いをしてきたのに…。
こいつら、腹立つ。
蓮に睨まれて怯えている二人をみて小さくざまぁ、と思いながらもフッと笑ったとき…。
「そこまでだー。」
パンパン、と手の叩く音とともに背後から声が聞こえた。
ハッと、入口の方を見て見ると…。
「……なんだ、玲(れい)か。」
スーツを身にまとったあたしの兄である、玲がいた。


