「俺、やばいよね」
すると更に蒼は俺をからかってくる。
「明日とかキレた生徒会が乗り込んで来たら和矢、お前即死だぞ?」
……本当にシャレにならない。
「冗談だと言って」
「いや、マジでだから」
喧嘩できるって言っても、生徒会を殴るなんて出来るわけがない。
そんなことすればそもそもの美玲ちゃんに嫌われそうだし。
「……俺、明日どうすればいい?」
あれだけ浮かれていた気持ちが100倍速で沈んでいく。
「殴られれば綺麗に解決」
ニッコリとした笑みを浮かべ、蒼はサディスティックな言葉を口にする。
蒼は根っからのサディストだ。
ドSなんて甘いものじゃない。
本気で人が苦しんでいる姿が大好きで、本気で人を苦しめたがる。
……あぁ、蒼の笑みが痛い。
俺をネタに楽しんでいるサド。
……浮かれた気持ちをぶちまけて更に浮かれようとしてきたはずなのに、蒼のせいで明日が少し憂鬱になってしまった。
「………俺、帰る」
もう微笑む気力さえない。
げっそりとした精神で蒼に視線を向けると、もうこれでもか、というほどの輝いている笑みを返され。
「もうちょっとゆっくりしていけば?」
本気で蒼に殺意が湧いた。
「……じゃーね」
よろよろと、エレベーターまでの道を帰り、止まっていたエレベーターに直ぐに乗り込む。
……はぁ。
大きなため息をついてしまうのであった。
和矢side*END