あたしこそが最愛最高の姫である







「……蓮?」





もう一度蓮に尋ねると、蓮はあからさまに舌打ちをした。





……は?





…あれ?



あたし何かしたっけ?



寝起きはいつも悪いけど、不機嫌になるときなんて殆どない。





「……お前、その顔なんだ」





そして蓮のこの言葉でやっと不機嫌な理由を理解した。





あぁ、なるほど。





そりゃ怒るわ。






そう思ってまだ貼り付けたままだった笑みを手で揉み解す。




こうでもしないとなかなか一度完璧に作った笑みを元に戻すことはあたしには難しいからなぁ。




そして一度パチリ、と軽く自分の頬を叩き蓮に向き直る。






「もとに戻った?」






蓮はまだ不機嫌さが残っていないものの、あたしの肩を抱く。






「……なんであんな顔してたんだよ?」





蓮はあたしが作り笑いをすることを酷く嫌う。




「んー。色々あってね?」




自然な笑みでフフッと笑うと蓮は機嫌が戻ったみたいであたしの肩を抱いたままソファーにふんぞり返った。






そしてその体勢で視線を直に向ける。







「……おい、何があった?ふざけた理由で美玲にあんな顔させたんなら……殺すぞ」






そして低い声をだし、物騒な聞き方で、直に答えを求めた。