あたしこそが最愛最高の姫である






「蓮が起きちゃうじゃん。いい加減にしてくれる?」






少しポカーンとしていたけど、直ぐに我に返った紫苑が恐る恐る口を開く。






「こ、この女が生徒会室の前に立っていたのが悪いんだよ」







……だから?






「そうよね?その子があたしたちの生徒会室の前に立っていることは不快だもんね?」






紫苑は一瞬、あたしの言葉にほっとした表情を見せるが。






「なら何で連れてきたのかしら?わざわざ中に」





分かりやすいほどピキッと固まった。





……紫苑はダメだな。




これ以上紫苑に聞いても余計イライラが増すだけだ。





そう判断し、次は悠斗を見る。





悠斗は獲物を前に怯えまくっている、というような表情をしていて。





すっごく可愛いけどそんなことに騙されない。






「……悠斗?説明してくれる?」





自分でも思ったより低い冷たい声が出た。





あたしの笑顔に未だ見惚れている女の肩が少し跳ねたのが分かった。