そんな全校生徒と、さっきまでいた生徒会、今もただ突っ立っているだけの暴走族。
これだけの要因があればここまて荒れるだろう。
ザワザワ、ギャーギャー、キャーキャー。
それに加え時折教師の叫び声も聞こえる。
そんな中…、
ある、澄んだ声が響いた。
「っ、いいかげんにしてよっ!」
その声の主とは____、
先ほどまで美玲と睨み合っていた少女だった。
そして、廊下でどす黒い笑みを浮かべていた人物でもある。
少女と睨み合い、周りの注意に疎かになってしまっていた時、暴走族達に群がっていく女達に激突されたのだ。
細い体は簡単に吹き飛ぶ。
そしてベタっと、不細工に前のめりに転けてしまった。
少女は一瞬、何が起こったか理解できていなかった。
しかし自分の状況を認識すると…、怒りで、床に付いている腕が震えてしまっている。
その下を向いている表情は怒りに満ちていて。
どうやら、転かされたことに相当ご立腹のようで。
そこそこ可愛い顔が台無しである。
確かに可愛いが、美玲と比べればこれ程のレベルでも天と地の差が起こってしまう。
この少女には、人を魅了する力がない。
ただ顔と雰囲気が可愛いだけ。
美玲に備わっている、人の上に立つ者の風格が皆無だ。
そしてそんな少女が___、
これから、大波乱を巻き起こすのだ。
暴走族と生徒会、この学園までもを巻き込む程の。


