あたしこそが最愛最高の姫である








顔を歪めて、睨もうとするけど……。








玲にさっき散々言われたことを思いだし、咄嗟に笑顔を作る。








男は当たり前のように一瞬固まった。










「失礼しましたぁ。こんなとこに立ちっぱなしで邪魔でしたよね?」











もう一度ごめんなさいと謝って、ダッシュで逃げようとした。










確かに逃げようとしたんだ。








こんな生意気そうな男と向かい合うだけでも嫌悪感が顔に出てきそうなのに。








でも……「逃げんなよ」








ぐっと手を掴まれてしまった。







だから必然と立ち止まらないといけなくなる。










…………は?









無理矢理自分の行動を他人に遮られることなので、思わず唖然とする。









この男、本当何様のつもりなの…?










「あの、離してくれませんか…?」








頬がどうしても引きつってしまう。








今は笑顔がきれいに浮かべているか分からない。








でもいくらあたしが下手に出てやったところで、この男は変わらず。












「俺のこと覚えてないのかよ?」










逆に男は不機嫌そうにあたしに問いかけてきた。









いや、何でこいつが不機嫌になるの。








不機嫌になりたいのはあたしの方なんだけど。











「………どこかで会ったことありましたっけ?」










するとこいつは絶句だ、という表情をして…。








更にあたしをイラつかせた。










わざわざ人を引き留めてんならさっさと用事を話しなさいよ、クソが。








何?あたしが言えることじゃないけど礼儀なんてものを知らないの?








イライラが募る。










「………本気で言ってんの?」









…………ぶちり。








あたしの中で、短い何かがキレた音がした。










にっこりと、有無を言わせない笑みを作る。










「何か?」










すると一瞬緩んだ隙を見て、手を引きはがした。










そしてそのまま右に行けばいいか、左に行けばいいか分からないけどとりあえず左に走った。








チラリと男を見ると、ジッとただ自分の手を見つめていた。










あーーーーー、最悪。










もう明日からは学校なんてこない、と意気込みながらとりあえずB組を目指した。