あたしこそが最愛最高の姫である






自分ではっきり言うと性格が悪い。





てか最悪。





歪みまくっている。




口も悪いし、思った事ずばずば言うし、我儘だし。





だからあの子に対しても、純粋そうな子だけど一度嫌悪感を抱いたら[敵]と勝手にみなしてしまう。






まぁあたしは生徒会と玲と他数名しか信用してないし、その人以外は自分とその人を比べて見下してしまう。






こうでもしないとやっていけない。







そしてまだ視線を逸らさない向こうの子。






もう、いいや。






はぁ、ともう一度大きくため息を付いて、いつの間にかマイクを後ろに投げてしまった蓮に声をかけた。





「蓮?もう生徒会室でのんびりしよ?」





そう言うと、蓮の眉間に寄ったしわは少し薄れ、直ぐにずっと握っていたあたしの手を握りなおした。






そもそも学校に来る日の方が少ない暴走族。





しかも、こんなに人が多く集まるところに何て入学式とか始業式以外来たことがない。




今日みたいな大混乱が起こるからだ。




何を目的に来たのか何も理解できないけど。





ステージから降りるとき、先ほどの女の姿を見ようと視線を動かすと…。






ちょうど、暴走族に群がっている女たちに勢いで突き飛ばされている所だった。




誰かの肘が勢いよく当たり、前のめりに倒れこんでいた。






「…ざまぁみなさい?」





あたしはその光景に小さく微笑んで、蓮にまた向き直った。