あたしこそが最愛最高の姫である











本当はこのままクラスに行かないといけないけど、もう帰る。








玲ゴメンねーなんて心の中で謝ってから、人の流れから外れて場所の分からない校舎へ歩き始めた。









……人の多いところは苦手だ。










だから、がらんとしてて自分一人だけがいる空間が好き。









玲とか信頼できる人じゃないと自分の空間を邪魔してほしくないんだ。








そんなことを思いながらぶらぶらと歩いていると、ふと窓から少し散った桜の木が見えた。









「…………」









どこが、綺麗なんだろう。








あたしは桜を綺麗と思えたことは一度もない。










しかも満開ではなく少し散ったところが風流だ、なんて絶対に思わない。








あたしが興味があるのは、自分にだけだ。











自分さえ楽しければ何でもいい。










自分さえ幸せなら何でもいい。









………あたしは、そんな女だ。









フッと自虐的に笑って花びらが盛大に散っている桜から視線を逸らす。













そして腰まで伸びている髪を揺らして廊下を歩いた。













桜の気にもたれかかりながら、こちらをジッと見ていた存在に気づかずに。