いや、その女の子とばっちりと目があった。
………え?
女の子のすぐ後ろでは、暴走族の男たちと女たちがガヤガヤやっているのに。
それを気にもせず、じーっとステージのあたしの方を向いている。
でも、蓮を見ているわけではない。
あたしを見ている。
あたしを見ている子ははっきり言って結構可愛い。
大きな凛とした瞳が遠くからでもはっきりとわかる。
でも……。
何か、気に入らない。
いまだあたしたちは見つめあってしまっていて。
あたしはハッと、侮辱するように笑ってあげた。
可愛いことは可愛いけど、あたしほどでもないし。
あたしは自分でもいうのはあれだけど、本当に可愛いし綺麗だと思う。
あたしの兄である玲もあれだけの美貌を持っていて。
父親も母親も素晴らしいほどの美男美女。
しっかり遺伝子を受け継いでいる。
あたしよりも可愛くない癖に、いったい何なの?
……なんて、思ってしまう。