そして終業式当日_______。
明日から夏休みー!いぇーい!
って楽しい楽しいノリではなく、あたしはその逆を走っていた。
「……さい、あく」
鬱陶しく汗で額にまとわりつく髪を乱暴に払う。
そしてピピピっとなる体温計。
表示された体温は……
38.6度
うん、なんかこの数字見ただけでもっと熱が上がった気がする。
最近ずっと寒くて、昨日とかパーカーをがんがんクーラーの効いている生徒会室で羽織っていた。
ここまで寒く感じるのはさすがにおかしいなぁーとは思っていたんだけれども。
案の定、今日起きてみたら汗を異常に掻いていた。
昨日も変に思って熱を測ったんだけど、昨日は平熱どころか少し低かったのに。
昨日片付けずに放置していた体温計で測ると今日は高熱。
何でよりによって今日なの…。
げんなりとベッドから降りて、嫌にふらふらする体でなんとか一回へたどり着く。
が、そこで脱力してリビングを目の前にフローリングに座り込んでしまった。
立ち上がろうにも少しでも動くと目が回りそうで辛い。
どうしようか。
困り果てていると、タイミングよく玲がやってきた。
「は、ちょ、美玲!?どした!?大丈夫か…っ?」
切羽詰っている玲の声。
でもぼうっとする頭で玲の呼びかけに上手く答えられなかったもんだから、本気で玲は救急車を呼ぼうとした。
「落ち着け、落ち着け!まずはだな、こんな時はだな、そうだ、救急車!」
社会人、本当にどうした。
「れ、玲………。けほっ。だいじょー、ぶ、だから。きゅーきゅーしゃ、やめて……」
けほけほゼェゼェ言いながらもなんとか暴走しだした玲を止めて、絶対に更にしんどくなった体を起こそうとする。