もうここまで言われたら俺がすることは一つしかない。
「______実桜は姫から降ろす。それで十分だろ?」
少し前から実桜には姫から降りてもらうと決めていた。
この出来事がいいきっかけとなった。
それにこんなことを聞いた後じゃ、もう実桜を信じることもそばに置いておくこともできない。
「もちろん。まぁ、そのブスの親にちょっかい掛けてもいいかなぁーなんて思ってたけど、そこまでする必要はなさそだし。それに親にちょっかいかけるには自分の親に頼まないと無理だし」
「じゃ、帰るぞ。道草食いすぎた」
「えぇー。切り替え早」
「さー、帰宅帰宅。美玲になんかおごらそうぜ」
二人が消えていく頃には、俺は地面に座り込んでしまっていた。
隣からは蒼のかすれた笑い声が聞こえる。
「……なんだ、マジで。あいつらってあんな強ぇーの?」
そして誰のものかわからないため息が漏れた。