このまま去るのか…と、ボーっとしながら見ていると、不意に二人が振り返った。
「I feel like total shit today.(今日は本当に最悪だ)」
「Because of this, Mirei was irritated.(このせいで美玲はイライラしてたもん)」
「Kiou,I'm very sorry.(騎王、ご愁傷様)」
二人は酷く冷たい笑顔で、何か英語をしゃべった。
……何で生徒会はこんなにも“恐怖”を人に植え付けることが出来るのだろう、と思う。
「……は、何言って……?」
もちろん英語なんて全く分からない俺は固まるだけ。
玄武も同じようで顔をしかめていた。
「I am sorry for your loss. (どーも)」
でも、流暢な英語が俺のすぐ後ろから聞こえた。
振り返ってみるとそこには寝ていたはずの蒼がいた。
強く、生徒会の二人を睨みつける。
「あれー?なんだ、英語しゃべれる人いるんだ。ヤンキーの集まりなのに」
そんな蒼に怖気づかずにケラケラと笑う女顔。
「ずいぶんと舐められたもんだ。まぁ俺は母親がイギリス人ってことだから英語できるだけなんだけどな」
「だからそんな女みたいなきれいな顔してんだ。中世的すぎて女みたい」
「完璧女顔には言われたくねーよ」


