キンキン高い女の人の声が聞こえた。
思わずその声の出所を視線で探す。
……あ。
すると、コンビニ前の道路に女の人と男の人が立っていた。
あの二人か、なんて視線で追いながらもそのままコンビニへと近づく。
まぁだからもちろん二人にも近づいているわけで。
さらに女の金切り声が大きく聞こえた。
「何で!?だって私……あなたのために、いっぱい、頑張ったのに……っ!」
そして、女は泣きだしてしまった。
少し距離があるけど見たところは高校生ぐらいか。
男は背を向けているので良く分からないが、身長は高い。
「………お前、もういらねぇわ」
「わけわかんない!!最低!酷い!!私を誰だと思ってるの!?」
「あ?そこら辺にいる女だろ」
「私、モデルやってるのよ!?これだけの容姿を持ってるのに、これだけあなたに尽くしてるのに!!何で!?」
……あぁ、これが修羅場というやつだ。
初めて見る修羅場にちょっと胸がわくわくした。
暑いけど、外に出てきて良かったなぁーなんて思いながらゆっくりと足を進める。
「……で?」
「……で、でってぇ…。この私と、この私と………ズッ、うわぁぁぁぁぁっ!」
………おぉ。
女は泣き崩れて、地面に座り込んでしまった。
アスファルト熱くね?
女はそんなことは気になっていないのか、顔を覆って泣いていて、男は何もせずにただ突っ立っている。
……女と男の温度差激しいな。
「じゃ、俺帰るわ。もう連絡してくんなよ?」
あ。あと数歩で横通り過ぎる。
さすがにいくら面白そうでも、立ち止まってガン見するほど興味はない。
「……嫌ぁ、嫌よっ!」
あと、三歩。
「……しつけーな。まず俺、言ったよな?ただの遊びだって。名前すら知らねぇし」
あと。二歩。
「も、もう一度だけ…!もう一度だけ、チャンス、くださいっ!!」
あと、一歩。
「あ?チャンスって?ふざけてんの?」
すっと男と女の傍を通り過ぎた。
すれ違う時に男の顔を見ると、これほどか!ってほどに整っていた。


