直はあたしが何を言ったのかよく分かっていないようで、ポカンとしている。
「……え、そうなの?」
「え、違うの?」
…………あれ?
知らないの?
直はぐっと眉間にしわを寄せた。
「あの女、あたしと同学年なんでしょ?」
「………そうだけど、なんで留年?」
「玲が持ってた資料、勝手に見ちゃったらあの女、あたしより年が一個上だったもん」
家にずっといて暇している間、玲の部屋を勝手に荒らしていたら大事っぽい資料が色々出てきて。
その中になぜかあの女の写真と簡単な個人情報が書かれていた紙があった。
何で玲がそのプリントを持っているのかは謎だけど、とにかく結構いいこと知ってしまったわけだ。
この監禁は絶対無駄じゃなかった。
でも直は知っていると思っていた。
たぶん…いや、絶対生徒会の方にも転校するときに何か書類は来ているはずだ。
それに名前と顔写真、生年月日は書かれていると思う。
生徒会の仕事をほとんど請け負っている直なら知ってて、あたしに話してなかっただけだとおもったんだけど……。
「………嘘だろ?」
「いや、ほんとに」
直の眉間のしわが更に濃くなる。
「……何があったんだよ?」
「……常識外れの美玲が勝手に人の個人情報見ちゃったって話じゃない?」
お前らは黙ってゲームしとけよ。
てか、常識外れなんて失礼な。
世の中の常識があたしに合わせてくれないだけなのに。
……所詮、あたしは自分至上主義である。
「………俺、転校生の生徒手帳見たけど特に変なところはなかったと思うよ…?」
………ビンゴだ。
これは、何かある。
あのくそ女の裏を取れる何かが絶対にある。
思わず、笑みがこぼれてしまった。
「あのくそ女、絶対に潰す」
「……こえ」
「………さすが女王様的な痛い考え」
「……転校生の生年月日が改ざんされてる?……玲さんの資料の間違いの可能性は…?」
「…………ふっ」
「“姫”はあたしだけのもの」


