真人に腕を引かれて外へ出る。
多分真人は、俺が佐々木と仲良くしてんのが気に入らないんだと思う。

真人は昔から、佐々木達が嫌いだったからな。



俺は、真人がどこかにいってしまったので、ぼーっと空を見ていた。



「あっはっはっはっ!!!!」



葬式には似合わない、楽しそうな笑い声が聞こえたのは、その時だった。




誰の声かは、わかる。




「藤井夏希。自殺だってさ!くははは!馬鹿みたい!!!」



ここは幸い、葬式をやってる場所からは離れてるし、この笑い声は聞こえていないはず。


それでも俺は、そいつの口を手でふさいだ。






信じていたのに。
藤井は殺さないって。






「ハルっ………!!!!」





オレが口をふさいでも、ハルは笑っていた。

可笑しそうに、クスクスと笑っていた。





「僕、藤井夏希は殺すつもり無かったのに。自分で勝手に死んじまってさ!」



ハルは、オレの手を掴みながらそう笑った。




「………藤井は、本当に自殺………?」


「そうだよ?僕は殺してない。屋上から突き落とす、なんて方法で、僕は殺さないもーん。」




ハルはそう言って鼻で笑う。




………ムカついた。
多田の時も、三好の時も、こんなにムカつかなかったのに。






「僕は、んっ………!?」








だったら、物理的に塞ぐしかない。
相手はハル。ハルだけど……………………。









オレは佐倉にキスした。