本当は、気付いていた。
「佐倉を守りたい」っていうこの気持ちは、償いたいだけじゃないって。






オレ、佐倉が好きだ。





「………永瀬?」


いじめておいて、今更、佐倉が好きだなんて、虫が良すぎるかな。
佐倉の心の中には、一年前のオレがいる。


最低だったオレが、佐倉から消えることはない。



「……なんでもない。」



今こうして、一緒に笑っていられる事だって、充分幸せなはずなのに。

オレはどうして、好きになってしまったんだろう。



佐倉は…………いずれ、オレの前からいなくなるのに。