ピンポンパンポン〜♪
「今から入学式を始めます。新入生の皆さんは、教室を向かってください。」
放送が聞こえた。周囲の人が一斉に動きはじめる。
「わ!ちょ、やばっ!」
私は、急に周りの人に押されて、前に倒れた…と思った。
誰かが私の腰を支えてくれたみたい。
「大丈夫…かな?」
「す、すいません。ありがとうございました!」
感謝の言葉を述べ、頭を上げると…
目の前に王子様の様な顔が広がった。
勢いよく顔を上げたせいで、その顔が私の顔とぶつかるまで、10cmしかなかった。
あまりにも綺麗な顔にしばらくぼーっとしていると、
「…ーい。おーい。おい!」
その顔が困りながら声をかけてきた。