----晴流Side












父さん、初めて見た。












ありがとう、助けてくれて。












「せ、先生っ」











ナースが先生を呼ぶ声が聞こえる。











俺はそっと目を開けた。











目の前には、涙をためた母さん、陽、そして椎花がいた。












「寝すぎだよ、晴流。みーんな待ってたんだからっ」












珍しいな、椎花が泣くなんて…。












「ごめ…ん…な、しい…か」












俺が言うと、椎花はぶんぶん首を振った。












「ばか、おせぇよ」












陽、悪いな。












「おはよ晴流」












「かあさ…ん、おれ…父さん…に…会った…んだ」












母さんは、あの人が助けてくれたんだね、と泣いた。