「いつもありがとう、母さん」 目が覚めたばかりだからか、喋りづらい…。 「何よ、いきなり。椎花さん呼んでくるね」 そう言って部屋を出ていった。 「晴流…。よかった、無事で」 「椎花、ごめんな」 俺がそう言うと、椎花は少し怒った口調で言った。 「あたしは晴流が生きてればそれでいいの。前にも似たようなこと言ったわよね?」 なんか俺、怒られてる? 誤ったのがいけなかったのか? 「まぁでも、ホントによかったわ。手術まであと少しなんだから頑張りましょう?」 そうだ。 すっかり忘れてたよ。