「…れは…が…だった…な」
あまりにも小さい声で呟くもんだからあたしには、全く聞こえなかった。
「なに?聞こえなかった。もう一度お願い」
「やだね。椎花にはナイショ」
そう言ってウインクをした晴流。
晴流がウインクすると、絵になるわね。
「ほら見て椎花」
晴流が指差した方を見ると、キレイな夕焼けが広がっていた。
あたしたちがここへ来たのは3時頃だったから、結構な時間話してたみたい。
「晴流、大好きなの。ホントに大好き」
「俺もだよ」
あたしは、あの桜の木と同じくらい大好きなこの場所で、晴流の手術が成功するように祈った。

