「まずはありがとう。ホントに」
そんな、お礼を言われることなんてしていない…。
「ここからが本題、かな」
クスッと笑う彼は、やけに大人びていた。
「まず、さっき倒れただろ?でもあれはよくあることだから。心配はいらないはず。ただ、あと一回発作が起こったら危険だって」
あと一回…。
「ねぇ雪村さん、いや、椎花ちゃん。椎花ちゃんは晴流が好きだろ?」
「えぇ。好きよ。とってもね。なぜ知ってるの?」
「見てればわかるさ」
あたしって、案外わかりやすいのかしら。
「そうか。よかった。晴流が目を覚ましたら、椎花ちゃんの気持ちを伝えてくれないかな?ホントはこんなこと言っちゃいけないんだと思う。でも、何かあってからじゃ遅いから」
佐伯くん。
あなたはやっぱり優しい人ね。
見た目はアレだけど、人一倍優しいわよ佐伯くんは。
「あたし、晴流の迷惑にならないかしら?迷惑はかけたくないのよ」
すると彼は少し考えて言った。
「んー。それはさ、自分で確かめないとね?」
わけがわからないわ。