「そろそろだな。」
「…うん!」
夜の10時。
みんな倉庫から出て、バイクのメンテナンスを始めていた。
楽しみで仕方がない。
いつもはマナーを守っての速度だ。
だけど、今日は違う。
びゅんびゅん飛ばしてくれる日。
多分、気持ちいいと思うのよね!
「冷夏、そんなに楽しみか。」
「ふふふ、当たり前じゃない。」
あたしがそう返事すると、秋は優しく微笑んだ。
「じゃあ、乗れよ。
最高に楽しい暴走にしてやるから。」
バックライトに照らされ微笑む秋に、あたしはまた真っ赤になりながら、
「うん!」
秋に駆け寄った。



