キーンコーンカーンコーン



朝の予鈴が鳴る。




朝部活がある人たちがぞろぞろと教室に戻って行く音が聞こえる。



こんな短時間でスケッチブックを2、3枚使った。



「楽しかったな…」



「そんなに?」



私の独り言に誰かが返事をした。




この声聞き覚えがある…、私は恐る恐る声のする方へ顔を向けた。



「ね、猫田先輩…!」



「あんな熱い視線を向けられたのは初めてだよ〜」



「…え?」



「俺のこと見てたでしょ?」




だんだん私に近づいてきて、私の手からスケッチブックを奪う。



「そ、それは…その…」



「それにしてもすずめちゃん、絵上手いんだね!」




「あ、ありがとうございます…」



「ずっと俺を見てたのはこれを描いてるからだったのか〜」



「す、すいません…!」



そんなに見てたのか…私はだんだん恥ずかしくなってこの場から立ち去りたかった…。