香ばしい匂い、騒がしい周り。 全てが、なぜか懐かしさを思わせて 「どうした?マナ」 「え?」 気づけば周りを見渡していた。 まるで、 「誰か知り合いでもいた?」 「‥ううん」 あたし、誰か探してたのかな 「ほれ、たれはたっぷり肉厚だよ!持ってきな!」 「ありがと」 おじさんからいかを2本受け取ったケイタが 「どっちがいい?」 湯気の立つそれは、醤油の甘辛い香りを匂わせながら私を誘惑してくる。 「じゃあ、こっち」 1つを受け取って、三角の部分から思い切り噛みついた。