「知らねぇよ」 「‥そっか」 有名な子守歌とかじゃないんだ、これ 「‥どっかで聞いたことあるかも」 立ち止まったケイタ。 「知ってんのか?」 「いや、曲名とか詳しいことは覚えてないけど」 「あたしも続き歌えないんだ」 何回も聞いたはずなのに 『ママ、あのお歌うたって』 『マナは、本当に好きね』 一緒に、口遊んだのに ‥‥‥思い出せない 「ほら、マナ」 見上げた空は青くて 「ケイタまた抜け駆けかよ!」 繋がれた両手は温かい