えぇ…。メガネ…チビ(私より1、2㎝位しか変わらない)…眉毛が丸々隠れる切り揃えられた前髪…ボソボソとしたしゃべり方…。

「無いわ…。」
静まり返った教室に私の声がこだました。
「ちょっ…沙織…!!」
夏樹が焦った顔で肩をベシベシと叩いた。

多賀って人は、通路を挟んで、私の隣に座った。

第一印象は最悪だけど、話してみれば、面白いやつかもな!!
いいヤツだったら、手に入れちゃおっと♪(笑)

チャイムが鳴って、私は、椅子ごと体を多賀に向けた。

「多賀くん!!はじめまして…私、華村 沙織って言うの!!」

すると、多賀くんは怪訝そうな顔をして、呟いた。

「面倒クセ…。」
ん?なんかイメージと違う…。