「今日は散々だったな。」
私は部屋に入りながら言った。しかしそこには、奈々都がいた。
「どうしたんだよ。」
「あ、聞こえてた?」
「だから、どうしたんだよ。」
私は苦笑した。
「今日、奈津と出かけたんだけどガラの悪い奴にぶつかって、れで、奈津が絡まれたの。だから何とかしようと思ってやめなさいって言ったんだけど、なぜか、男の子口調になって。」
そこで一度私はしゃべるのをやめた。だって泣きそうになったから。
「それで…そのあと帰る前に奈津に怖かったって言われたの。もしかたら、このまま女の子じゃなくなったら…。」
そう言った途端に涙が出てきた。
「ウワ―ン…。」