私たちは、水族館を出て、近くの公園で、海を見ながら黙っていた。
 私は、すっきりしていた。
 ずっと言いたかった、モヤモヤを言えたような気がして。
「あ・・・・・・・。」
 脳裏に、楽しそうにほほ笑む、友達の顔がよぎる。
 どんどん、それらは、よぎって、私の記憶のパズルにはまっていくのだった。
「奈々都。」
「ん?」
「私、思い出したよ。ぜーんぶ。」
「そっか。」
 そう優しく笑う奈々都に
 トクン・・・・
 と胸が優しく高鳴ったんだ。
 なんか、変な気分だ。
「優日。」
 不意に名前がよばれたかと思うと、奈々都の顔が視界いっぱいに広がった。