タカラモノ~桜色の片道切符~

「美桜?」


火を止め、寝室を覗くとサイドテーブルの傍に傷口を押さえ蹲る美桜の姿があった



「美桜!何して」



抱き上げてベッドに寝かせると、痛みを堪えるように脂汗をかいている。


右腕を確認すると血は滲んではいない。



「美桜。一応病院行こう?」



小さく首が横に動いた



「……わかった。動くなよ」




エントランスに出て、発信履歴から大地に電話をかけた