タカラモノ~桜色の片道切符~

返事が返ってきたと同時に軽い衝撃が胸に伝わった。


眠っているわけではないが、目を閉じた美桜がぐったりと倒れこむように体重を預けている。



色々体に負担が掛かっている状態であれだけ泣いたのだ。体力の限界などとっくに過ぎている。



「ベッドに戻ろう」



多分聞いてはいないだろうが一応声をかけ、膝裏に手を入れ抱き上げてベッドに寝かせると隣に横たわった。



隣で寝ているから。何かあったら起こして」



眠るつもりなどないが、嘘をつかないとまた自分を責めるだろうから



「おやすみ」



背中に回した手を一定のリズムで叩いていると美桜の体から力が抜けていくのがわかった。


目元に残った涙を起こさないようにそっと拭う。



「ごめん」



薄めたイオン飲料だったとはいえ、グラス1杯の水を飲むのも最後は辛そうだった。



スープでもと言われたが、それさえも食べさせるのは厳しいかも知れない