タカラモノ~桜色の片道切符~

時計を見ると3時間近く経っている。


視線だけを腕の中にやると、まだ喘いでいた


「ちょっとごめん」



片手を膝裏にいれ、抱き上げる。軽い体が余計に軽く感じられた



「すぐ戻ってくるから」



泣き続ける美桜をソファーに下ろし、キッチンでグラスに水とイオン飲料を注ぐ。



水分補給をさせてから大分時間が経っているし、落ち着かせるためにも何か飲ませた方が良い



「飲んで」



グラスをテーブルに置くと隣に腰を下ろし、泣き続ける美桜を膝の上に乗せた。



片方の手で抱きかかえるようにし、もう1度グラスを手に取ると口元へ近づける。



「さっきと同じ」




口元にグラスが当たると薄っすらと唇が開き、その隙間から少しずつ中身を流し込んでいく。



噎せないように、確実に