タカラモノ~桜色の片道切符~

「な、何?」




「あ、理桜さんが来たみたいですね」


「リオ?」



「そ、この店のNo1、ちなみに僕がNo2」



隣に座っていた光が柔らかく、当たり障りのない営業スマイルを魅せながら答える。


が、一瞬リオをみた瞳は…獲物を狙う獣のような…



騒ぎの方向に視線をやる。周りのホストたちよりも頭一つ大きい長身



似ている?ううん、違う。


「どうかしました?」


「い、いえ」



見惚れてしまっていた?仕事柄色々な人たちに会ってきたけれども、何だろう?



人を惹きつける、オーラみたいな。オーナーさんをはじめ、ここにいるホストたちは華やかで魅力的。でもそれとは世界が違う。そう思わせるくらい




「取材順調ですか?」



「はい。あの彼っていくつなんですか?」



突然現れたオーナーに少し驚きながら、リオがいるであろう方向を指して小声で伺う



「理桜ですか?たしか20歳だったかと…空いたら呼びましょうか?話を聞きたいでしょう」



「え、でも」



断る間もなくはオーナー向こうに行ってしまった。



暫くすると、オーナーが理桜を伴って美桜のほうに歩いてきた。



「初めまして。理桜です。桜井センセ?」



「初めまして。桜井航です」



間近でみても、すごく綺麗な顔と、オーラ。でもどこか視線は冷たい…