タカラモノ～桜色の片道切符～

「初めまして。桜井航です。今回は取材を受けてくださいありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします」




「こちらこそ。君の作品すごく好きなんです。イメージしていたのと違って可愛い方ですね。あ、後でサインいいですか？」






私の作品のファンだといってくれるオーナーさんと名刺交換をしながら簡単な説明を受けた。





隣には佐々木さん。かなり若そうにみえたオーナーさん、28歳と言っていた……






「えーっと輝一さん？」



「はい。じゃあどうぞ店内の方へ。何人かつけますので。他にも話を聞きたいホストがいましたら声をかけてください」



キラキラと照明が光る店のほうへ行き席に座ると何人かホストが隣に座ってきた。





「初めまして。光です。何飲む？」


「初めまして。今日はよろしくお願いします。……お任せします」



「じゃ、今日の出会いに」




見事な営業トークを聞きながら乾杯をしたあと、考えておいた質問をぶつけた。
「どうしてホストになろうと思ったんですか？」



「うーん。スカウトされて、かな」




話をしている内に場の雰囲気にも慣れ始め、話が弾み始めた頃、突然店内が騒がしくなった。