「それだけ疲れていたってこと」



理桜の大きな手が頬を軽くたたく。


自分の手より低い体温が心地よい。安心する





「ほら。もう寝る」



空いた皿をサイドテーブルに置くと、美桜の背中の枕を抜き体を横にさせた。



「……帰るよ私。理桜くんのベッド占領しちゃうの申し訳ないし、これ以上迷惑かけられない」


「体まだ言うこときかないだろ?それに迷惑と思うなら初めから連れてこない」


「でも……」


「それ以上言うと襲うぞ」


え……





「冗談。電気消すから寝ろ」




パチン。







軽くデコピンをされた。




「おやすみ」




ベッドサイドの電気だけをつけ、理桜は寝室の明かりを消した。